人形操作
布袋劇映画は人形操作の上で、数多くの技術問題に遭遇した。カメラアングルの関係で、どうしても溝や地下道を利用して人形が地上を歩く画面を完成させることになる。また、撮影前、ピントや露光を調整するため、操作師は前もって、機械の調整が終わるまで何度も何度も演技を繰り返さなければならない。操作師は相当な体力と忍耐力が必要なのである。
スタジオ内の瑠璃仙境・鳴剣山荘・六道輪廻洞・非善類基地…などのセットでの撮影以外にも、多
くの屋外ロケ場面が追加された。墾丁・鹿谷(蒿棘居)・虎尾溪(冷香水 )などの地点である。ロケ撮影部分で一番困ったことは、人形を支える位置だった。操作師は深さ2〜3尺(60〜90センチ)の臨時に掘られた溝に横たわったり、池の水の中に潜って操作をしなければならないのだが、虎尾溪冷香水 のシーンでは、10日余りの撮影期間中、操作師は水中で息を止めて人形を支えている中、上流にあるガチョウ養殖場からの肥料や排泄物が下流まで流れてきてしまい、皆皮膚病に犯されてしまうという一幕もあった。また、墾丁の海辺でのロケでは、34度にも昇る高温の下で撮影が行われ、操
作師たちは熱でじりじり灼ける砂浜に掘った溝にもぐって操作をしたのである。
本映画の人形操作の師匠たちは、ずば抜けた体力と忍耐力の他に持ち合わせていなければなら ない特殊技能がある。それは監督との間で一を言えば十わかるようなあうんの呼吸によって、監督の
要求する動作を一瞬の内に理解し、即刻操作する技術である。アクションシーンでは、師匠らも武道家 はだしで監督の必要な技出しや受身の動作や角度を捉えることができるのだ。
爆破、特撮
本編ではSFXを多く用いている。爆破や特殊技術処理はもちろん、映画の中でのアクションシーン
に使われる。霹靂はテレビシリーズにしろ映画にしろ、そのアクション表現は驚嘆に値する。
映画撮影が始まったばかりの頃、特撮処理は全て当日現場で製作・セットを組んでから撮影してた。だんだん馴染んできてからは、2,3日前に監督と打ち合わせをして、撮影前にはすべての必要なしかけのセットを終わらせておくようになった。
俳優の演じるアクション活劇と同じく、本作品のアクションシーンもワイヤーでの吊るし技術を多く用いた。鍾乳洞の場面で、傲笑紅塵と素還真ふたりの英傑が睨み合う一幕がある。画面上の人形が宙を返り、空中でぶつかり合い、躍り上がって剣を振る…などの迫力の技の数々は、ワイヤー吊りを運用するだけでなく、痕跡を残さないようにしなければならないのだ。
実際には、爆発や特撮はその規模を問わず、霹靂テレビシリーズの中では早期から広く用いられているのだ。今回映画で最も大規模な爆発シーンはラストの「剣鳴山荘−大決闘」の一幕。これ一回の爆発で、値百万のセットはこなごな、スタッフに怪我人まで出る騒ぎになり、危険きわまりない作業だった。
撮影
本作品のエグゼクティブディレクターとカメラマンはいずれも霹靂のベテランテレビ監督である。多くの人が、映画に初めてトライする黄強華氏が彼らを起用したことに対してあまり理解を示さなかった。実際には、黄氏も経験豊かなアクション映画監督かカメラマンを招こうと考えなかった訳ではないのだが、思慮の末、やはり布袋劇映画のスタッフが持つ団結と呼吸が一番の成功の鍵だという結論に達した。監督やカメラマンが人形の動きや角度を十分理解できなければ、人形操作師との呼吸が合わず、仕事の時間や撮影の成果に良い結果とはならないからだ。ゆえに、霹靂で布袋劇テレビシリーズを長年手がけてきた王嘉祥氏と蔡孟育氏は絶好の監督及びカメラマン候補となったわけである。他に台湾の映画撮影に造詣の深い陳榮樹氏を招きヴィジュアルディレクターとして二人の監督がテレビの格式から抜け出られるよう指導していただいた。
テレビの小さなスクリーンと違い、映画のスクリーンは大きく引き伸ばす効果があるため、人形の動きがあまり速いと、観客の目がついて来れなくなってしまう。この映画の視覚特性に合わせるため、映画の人形はあまり早く動いてはいけない。カメラワークもテレビよりゆっくりめがちょうどいい効果が得られる。もちろん一切の冒険と苦労の甲斐あって、編集を経て最終的に目の前に現れたビジュアルとバイオレンスの震撼と美学は多くの業界評論家たちから見ても徐克(ツィ・ハーク)や程小東らの作品に引けを取らない出来映えとなった。
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