編集

   かつて、広報メディア学者が授業中学生に、「君達が映像編集をモノにしたいと思ったら、霹靂布袋劇を観なさい」と言ったという。霹靂布袋劇のカッティングのテイストと技術が業界にも学界にも認められている証だ。

   「聖石伝説」カッティングの手法は映画界でも例を見ないものである。人形の動きを生き生きと表現するには、細かい角度のコンテ起こしとカッティングが不可欠。とくにアクション部分は、撮影のときのそれぞれのシーンがとても短いため、各カットをアニメーションのセルのように一つ一つ撮って、それから編集してその動きをつなぎ合わせてゆく。この理論はテレビ製作においても十分に高度なテクニックとされているが、NGは許されない製作環境では時間とフィルムを費やすだけでなく、精神力も努力も注ぎっぱなし。本作品の撮影フィルムは10万インチあまりにのぼり、完成後の全長1万インチ・3785ショット。台湾二十数年の映画史において、これほど細かくコンテを切った作品は例を見ない

CG

   本作品は台湾史上最高の投資額を誇る映画である。動画製作の予算だけでも数千万台湾ドルにのぼる。動画の長さが長くなるにしたがって予算もどんどんうなぎ上りになったため。動画の総長18分は、台湾国産映画の記録を塗り替える快挙。この快挙のおかげで、本作品の制作後処理作業は一般映画より精密で、より時間のかかる作業となった。動画スタッフとの共同作業の便と貴重な製作時間の獲得のため、ふたりのエグゼクティブディレクターは動画製作会社スタッフを2組に分割して奮闘すること6ヶ月、やっと全部を完成させた。

   動画シーンの設計と計画は、完全にストーリーの必要性によって加えられたもの。例えば、「地獄谷」の崖や岩肌、天問石密室の部分などは、迫真に迫った効果を出すため、SFXを使って表現することになった。このほか人物の技やアクション場面でも、大量のSFXを駆使し、前代未聞のヴィジュアル革命を成し遂げ、作品全体がより勢いを増したといえるだろう。

   SFXは「聖石伝説」製作後期においてのかなり重要なパートを占めていると同時に、最も時間と金銭をつぎ込んだ部分ともいえる。製作過程においてはかなりの時間を打ち合わせとチェックに費やし、たった18分の動画部分とはいえども、まるまる6ヶ月の歳月をかけた苦労の結晶なのである。製作途中では光の問題対策〜技やアクションの場面で発光させるとき、光源と影の位置にかなりの注意を払わなければならないのだが、布袋劇のアクションシーンは特別に多いので、自ずと処理にかかる時間も労力も増してしまうのである。

オリジナル サウンド トラック

   マジックストーンミュージックプロデュース、賈敏恕企画監製、伍百&チャイナブルーや陳明章らミュージシャン精鋭が作曲と歌を手がけたほか、上海・北京にまで赴いて大型管弦楽団によるBGMを録音した。
   「聖石伝説」の歴史活劇調と現代感を兼ね備えた雰囲気をかもし出すため、音楽製作にあたっては、管弦楽によるBGMのほか、ロックによるアプローチをしようと、国内の知名ロックグループ伍佰&チャイナブルーに製作を依頼、伍佰&チャイナブルーのパワーを借りて作品のドラマチックなストーリーに心を揺るがす気迫を加味した。

   映画主題歌「稀微的風中(荒涼たる風の中で)」は伍佰が作詞作曲を手がけたほか、上海管弦楽団による伴奏も加わり、また、その他のBGMではチャイナブルー編曲のファンタスティックなテクノミュージックも用いられている。編曲のインスピレーションは映画に登場する、変化自在の異世界の生物―非善類からきているそうだ。もうひとつの主題歌「何時再見夢中人」は聞くところによると、伍佰が酔って突然ひらめいて書き下ろしたものとか。この心の琴線に触れる歌詞が、登場人物の愛や感情の縺れを描いた抒情的逸品となったのである。

音入れ

   「聖石伝説」は初めてドルビーデジタルサラウンド録音を採用したので、音響部分の投資金額も国産映画の記録を塗り替えた。霹靂布袋劇は今までもずっと、音の効果を大変重視していた。このため作品のボイスディレクター兼プロデューサー、そして本作品及霹靂テレビシリーズのすべてのキャラの声音担当者―黄文擇氏が自ら声の部分の製作に携わった。

   このほか、アクションのときの拳や足、刀や剣などがぶつかりあう音、気功を発して技を出すとき、爆発などの特殊効果音も、手の加え方によってはヴィジュアル効果を倍増させることが出来るので、布袋劇を手がけたことのないスタッフにとっては、かなりの試練であった。彼らの映画音声の仕事で、今回の映画はかつてない特殊な経験であったろう。ハリウッドのミキサーが台湾に仕事に来たときも相当な試練だったしく、驚きを隠せないようであった。

   音声の品質に対してものすごくこだわる黄文擇氏は、今回の映画の音声部分にはたったの70点しかつけていない。が、今回の仕事と合作の経験は霹靂や彼個人にとってとても有意義でプラスになるものだ考えている。何故なら、この次の映画での音声は、もっとより良いものになるはずだから。



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